
朝から空気がしっとりと重たく、工場のシャッターを開けた瞬間、ほんのわずかに雨粒が頬に当たりました。
今日も若林工業のプレス機たちは、変わらぬリズムで音を響かせています。
AIDAの150tプレス機たちが並ぶ工場内。
その奥で作業員が黙々と製品を
トレイに重ね、手前には完成したパーツが新聞紙に包まれて静かに佇んでいます。
机の上には、朝の作業で使った道具たち。
小さな丸物の部品と、
指先の感覚を頼りに扱うための工具。
新聞紙は、汚れ防止だけじゃなく、
道具や部品へのちょっとした
気遣いでもあります。
こんな風景が、毎日繰り返されています。
外に出ると、空はまだグレー。
工場の屋根の軒先から覗く空には、
電線が静かに走り、
葉を落とした街路樹が
春を待っているようでした。
天気はどんよりでも、
工場の中では
しっかりと一つ一つの製品が
形になっています。
派手な音やにぎやかさはなくても、
「確かなものをつくる」という
静かな情熱が今日もここにあります。

